コンサルタント業務のいいとこ、悪いとこ

オ-ナ-企業の業務見直しによる売り上げ向上、、また中小の会社、特に町工場の経営の立て直しのコンサルタントとして15年以上働いています。大学で経済学部を専攻してそのあと大学院で流通全般と経営学を学びました。修士として一部上場の金融会社に入社して、各部署の業務の棚卸と生産性向上のテコ入れ業務を10年以上勤務して独立しました。

コンサルタントをしていてつらいのは、期限内に必ず結果を出して、こうすれば今の厳しい状況が改善されるという具体的な方法を提示することです。依頼者側からすると、そのために高い費用を捻出してコンサルタントと契約するのだから、極めて当然のことになります。その為にコンサルタントは社内に入って社員から調査を行い、関係者のミ-ティングに入り込み、契約社員からのヒアリングを精力的に進めます。そうすると、大体のことがわかってきて、解決策というものがおぼろげに見えてくるものです。多くの場合、3つのケ-スに分かれることが多いです。

一つ目は、今までクライアント会社が気が付いていなかった、社長も気が付ていなかった、社員も知らなかったスペシャルな方法が見つかる場合です。これが一番好ましいケ-スになります。いわゆるコンサルタントさんありがとうの事例です。実はあまりこういうのは有りません。
そして二番目は、社長も気が付ているし、社員も薄々わかっているけれども実行できない方法が最終的に選択肢として残る場合です。例えば、今での義理があって価格の高い取引先から材料を先代の時から仕入れているとか、給料が高い高齢者社員が沢山在籍しているとか、先代の遺言で銀行から運転資金の借り受けを受けない、全て自前のお金で会社を回すことを厳しく守る必要があるとか・・・の会社の立て直しのための改善のには、大なり小なりに痛みが伴う解決法が浮かんでくるのです。これは他人からすると実行すれば苦しい状況が改善するのが見えているのに、当人からすると大変つらい選択をすることになるので、辛い状況になります。
そして三番目は、コンサルタントとの存在価値を問われかねないのですが、色々と調べて、関係者との話し合いを何回も重ねて、同業他社の状況も調べて・・・わかった結論が、今の業態、今のやり方では先は無いし、手を打っても結論は変わらないという場合です。この場合は、大変つらいですが、切り替えを上手にして、いかに被害を少なくするかという取り組みに方向性を変えてしまうことが大切です。これを上手くしないと、「高い金を出してもこれか・?」という事態に発展しかねないし、料金を取れない場合があります。数ヶ月間の短期的な案件もありますし、ときには数年がかりの大型プロジェクトに参加することもあるでしょう。その場合には、余計にデリケ-トな扱いで、終息案を提示することが必要です。

そしてコンサルタントの大切な仕事は、お客さんの悩みの解決方法を提示することですが、それよりも大切なことがあります。仕事のない不況の時代だから、よけいかと思われます。コンサルタントの最も大切な仕事は、次のコンサルタント業務を見つけてくることなんです。これは物凄く大変です。